介護職ができる生活リハビリとは

要介護者の生活の質を向上させるために必要とされているリハビリ。病院など医療の現場では、一生懸命リハビリに取り組んでいる患者が少なくありません。リハビリというと、理学療法士や作業療法士など医療職の仕事というイメージがあります。しかし、患者にとっては病院を退院した後の生活の方が長いでしょう。患者の中には介護を必要とする人も少なくありません。医療費を削減する流れの中で、入院期間をできるだけ短くする医療機関が増えています。つまり医療機関内でのリハビリ期間は徐々に短くなってきているのです。そこで介護施設での日常生活を通じて、リハビリ活動を行う動きに注目が集まっています。

介護職が行うリハビリは、生活の中で行うため生活リハビリと呼ばれることがあります。介護の現場では、日々の生活の中でリハビリ可能な環境を整えてあげて、自立して生活できるサポートを行うことが大切です。具体的な環境整備としては、廊下や階段などに手すりをつける、1人でトイレができるためにポータブルトイレを整えるなどです。また自力歩行を少しでも伸ばすことは、生活リハビリでも大きな課題です。例えばトイレへ誘導する際には、手引き歩行をして歩ける距離を少しずつ伸ばしていくなどの取り組みが有効です。また要介護者に目標を持たせて、積極的に生活リハビリに参加させることも重要なポイントです。本人が強くやりたいことを手伝いすることも、立派な生活リハビリの一環です。生活リハビリに付き合うことは大変なことですが、要介護者の夢を実現させることを考えるとやりがいはあります。介護職としての技術向上のためにも、要介護者のためにもリハビリの知識を深めることが重要になってくるでしょう。